‘みんな’のしあわせ願う、こうやの話

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‘みんな’のしあわせ願う、こうやの話

こうや豆腐と歳事行事 ハレの日には、こうや豆腐を食べよう!  監修:元高野山大学教授・日野西眞定

子どもの健やかな成長を願い

「桃の節句」「端午の節句」「七五三」は、子どもの健康と成長を願う“ハレの日”。
伝統食品の“こうや豆腐”は、タンパク質、鉄分、アミノ酸など栄養たっぷりだから、子どものためのお祝い料理にもぴったりです。ふんわり柔らかく、おだしがしみこんだ味わいは、子どもたちも大好きです。
愛情のこもった手づくりのご馳走で、家族みんなでお祝いをしましょう。

◆桃の節句(雛まつり)

細かく切ったこうや豆腐をのせた〈ちらし寿司〉。

3月3日は、「桃の節句」。女の子の健やかな成長と幸せを願う、「雛まつり」の日でもあります。
桃の花には、邪気を払う力があると信じられており、「桃の節句」は禊(みそぎ)払いの日でもありました。もともと農耕作業の始まるこの時期、物忌(ものいみ)精進をして、神を迎えて祀るという風習がありました。自分の穢れや災いを紙人形に移して、川に流すという儀式が行われていました。その行事に、平安時代の貴族の女子が人形で遊ぶ雛遊びが結びついたのが雛まつりの原型といわれています。
大阪や兵庫など関西では、雛まつりのご馳走に、こうや豆腐の入った〈ばら寿司〉〈五目寿司〉や〈巻き寿司〉などをいただきます。豊かな色どり、海苔の香り、楽しいお祝いの日にぴったりです。貧血予防や美容の面からも、鉄分やカルシウム、良質なタンパク質、アミノ酸などが豊富なこうや豆腐は、女の子の元気の素。病や邪気から守ってくれそうです。
邪気を払うといわれる“桃の花”と“こうや豆腐”。この二つを組み合わせれば、“邪気払いWパワー”で、女の子はより健やかに美しく、きっと幸せに育つことでしょう。

◆端午の節句(こどもの日)

「端午の節句」に供える十福院様の御膳。御膳内の左上の煮つけに、こうや豆腐が入っています。

5月5日の「端午の節句」。今は、子どもの健やかな成長を祈る「こどもの日」として知られていますが、その起源は意外にも子どもとは関係ありませんでした。
5月は、もともと田植えの時期にあたり、一年のうちで重要な月とされていました。田植えは、神事のひとつと考えられていたからです。5月=皐月(早月・さつき)に、早苗(さなえ)を田植えする早乙女(さおとめ)が主役。早乙女役の女性は、邪気を払うと信じられていた菖蒲※を屋根に飾って家を清め、菖蒲湯で身の穢れを落として、家に籠って精進潔斎をし、神事に臨んだのです。今のように男の子の節句というよりは、本来は農耕の祭りで、田植えの主役である女性の節句でした。
そこに、中国から、屈原(前343年頃〜前278年頃、楚の政治家・詩人)の命日である5月5日に、供養として粽(ちまき)を川に投げて国の安泰を祈願する行事が、日本に伝わったと思われます。奈良時代には、「端午の節句」として、病気や災厄を除ける宮中行事として定着したといわれています。季節の変わり目として、急に暑くなるこの時期は、昔から病気にかかりやすいとされていました。厄除け・毒除けをする意味で、薬草とされる菖蒲やよもぎを軒先に飾ったり、菖蒲湯に浸かったり、菖蒲酒を飲むなどの風習が受け継がれてきました。
鎌倉・室町時代には、菖蒲が「尚武(しょうぶ)」(武道を重んじること)に通じることから、武家に生まれた男子の成長を祝う日として定着。武家では、甲冑や刀、弓矢など武具を飾り、旗幟を飾りました。さらに、江戸時代には、「鯉のぼり」や「五月人形」を飾るなど庶民に広まったといいます。「鯉のぼり」は、鯉が龍になって天に昇る、つまり立身出世を祈願して飾られます。
ところで、もともと五節句のひとつである「端午の節句」でも、古来より“おせち”をお供えし、そのお下がりをいただいていました。徳島では、子どもの健やかな成長や家族の幸せを願って、十福院様と呼ばれるご先祖様の肖像の前に、お供えのお膳を並べる風習が残っています。ちまきや柏もちとともに供えられる御膳には、こうや豆腐の煮つけが入っています。お祈りと献酒のあと、御膳はお下がりとして家族がいただきます。
伝統的に神様やご先祖様をお祀りする御膳の食材として使われてきた、こうや豆腐。栄養も豊富で、子どもの成長を祝うご馳走の食材にぴったりです。


※葉の形が剣に似ていることから、魔除け効果があると信じられてきた。根は漢方薬として用いられる。

◆七五三

男の子が3歳と5歳、女の子が3歳と7歳。これらの年齢は、子どもの厄年といわれています。11月15日に、寺社に詣でて、お祝いと厄落としをして、子どもの成長を祝う行事が七五三です。昔は疫病や栄養失調による乳幼児死亡率が高く、数えで7歳くらいまではまだ人としての生命が定まらないと考えられていました。子どもたちが、神社でお祓いを受けることにより、邪悪なものから身を守り、神仏の守護を受けるという風習といえます。11月は収穫祭が行われる月で、旧暦では新年に改まる直前の時期にあたります。子どもの成長を祈願するのにふさわしい節目といえましょう。また、旧暦の15日に満月をもって神を祀った古来の風習に従って、この日になったと考えられています。
現在に伝わる七五三は、室町時代に行われた儀式がしだいに広がったものといわれています。男女とも3歳になるとそれまで剃って短かった髪を初めて伸ばす「髪置(かみおき)」。そして、男児は5歳になると初めて袴をはく「袴着(はかまぎ)」、女児が7歳になると付け紐を解いて、初めて帯を締める「帯解(おびとき)」という風習にちなむものとされています。ちなみに、千歳飴は神社の土産物として、江戸時代から流行した新しい風俗です。長寿を祈願した縁起物で、年の数の千歳飴を袋に入れて子どもに持たせると縁起が良いとされています。
ハレの日のご馳走には、古今東西問わずお寿司がポピュラーといえます。〈七五三パーティー〉でも、〈ちらし寿司〉〈五目寿司〉〈手巻き寿司〉などでお祝いしましょう。「邪気払い」「子どもの元気」を願いに込めた、こうや豆腐は具材にぴったりです。そのほか、こうや豆腐の粉を混ぜた〈てんぷら〉や〈ハンバーグ〉〈ピザ〉など、おいしく栄養豊富なメニューで、お祝いしてあげましょう。

「七五三」のご馳走に、こうや豆腐入り〈ちらし寿司〉(左)と〈手巻き寿司〉(右)。