凍り豆腐の賞味期限表示設定の考え方
2022(R4).1.17
全国凍豆腐工業協同組合連合会
- 凍り豆腐は、豆腐を凍結・熟成後解凍し、膨軟、脱水、熱風乾燥によって水分8% 程度になっているので保存性は良いように見えるが、35%程度の脂質が含まれているので、日時が経つにつれて脂質が酸化する。
- この品質劣化は、色もつき匂いも変わってくるいわゆる褐変である。 もう一つは、調理時の膨軟が悪くなることである。製造後の新しいものは湯戻しすれば大きく膨らみ軟らかくなるが、古くなると膨らみが悪く味も劣ってくる。
- 褐変の原因は、凍り豆腐に含まれる脂質が空気中の酸素を吸収して酸化するからである。凍り豆腐は多孔質のため脂質と空気が接触する面積が広くなり、酸化され易い。
- 膨軟加工方法は、重曹、炭酸カリウムが主流になっており、膨軟剤による保存性の差はない。
- 以上1~4のことから、賞味期限を設定する場合は、官能評価に加え酸価(AV)、 過酸化物価(POV)の経時変化、及び湯戻し後のかたさ(Hardness)または調理後のかたさを目安とする。
この考え方に基づき、賞味期限の基準は6ヶ月とする。
また、ガスバリア性包材、脱酸素剤を使用する等の仕様を工夫することで、賞味期限を1年とするものもある。
なお、個々の食品については、食品容器または包装に記載されている製造者(販売者)の連絡先にお問合せください。
(参考)
当資料は、(一般財団法人)食品産業センターが、2008(H20).2.23 にホームページ上の出版物「資料ライブラリー」で公表した「加工食品の賞味期限について」に掲載されたものを、最新の基準に更新したものである。