カラダの脂肪のもととなる中性脂肪。中性脂肪が余分になり、血液中に増加してくると、生活習慣病のひとつである動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中など)のリスクが高まる一因となります。
実験動物ラットを用いた動物試験で、こうや豆腐を3週間食べ続けさせたところ、血中中性脂肪濃度が低くなりました。この効果は、こうや豆腐に含まれるタンパク質によるものと推定されています。
10人に牛ひき肉のハンバーグと、牛ひき肉の80%をあらびきこうや豆腐で置き換えてつくったハンバーグを食べてもらった結果を比較してみました。
こうや豆腐ハンバーグのほうが食後に中性脂肪の上昇を抑えることがわかりました。
こうや豆腐を食べることで、こうや豆腐中のタンパク質が、肝臓での中性脂肪合成を抑制し、また腸管からの脂肪吸収も抑制することで、血液中の中性脂肪上昇を抑えることがわかりました。
動脈硬化の大きな原因となるコレステロール。
血中のコレステロールが多すぎると、血管内に余分なものが沈着して、血管を塞いでしまい、動脈硬化につながります。やはり、動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中など)になるリスクが高まります。
実験動物ラットを用いた動物試験で、こうや豆腐は標準的な食事(乳タンパクをタンパク資源とする)よりもコレステロール上昇を抑える効果が高いということ。また、通常の大豆タンパク質よりもコレステロール調節作用が早く、強く発揮されることがわかりました。
健康な12人に味付きこうや豆腐(1枚、こうや豆腐18.5g分)を毎日、4週間にわたって食べ続けてもらい、その間1週間毎に採血して、総コレステロール、超悪玉コレステロール、悪玉コレステロール、善玉コレステロールを測定。その結果、ケースA及びケースB に見られるように、もともとコレステロール値が高い人は、超悪玉コレステロール、悪玉コレステロールが減少しました。
なんと、こうや豆腐を食べ続けると、血中の超悪玉コレステロール、悪玉コレステロールが減少することもわかりました。
こうや豆腐中のタンパク質は、原料である大豆のタンパク質の1.5倍以上もレジスタントタンパクを含むことがわかりました。この要因を調べたところ、こうや豆腐が製造過程で受ける凝固・凍結・乾燥といった加工によって、レジスタントタンパクが増加していることが明らかとなりました。そのため、こうや豆腐のコレステロール調節作用が早く強く発揮されたもの(Case3)と推定されます。こうや豆腐のレジスタントタンパクに よる働きは、大豆タンパク質より量が多いことで、コレステロール調節作用が強く発揮されることがわかりました。その働きは、コレステロール値を下げる薬であるコレスチラミンよりはずっと低いのですが、動物性タンパク質である乳タンパク質(カゼイン)よりも強いこともわかりました。